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秩父の魅力と楽しい遊びがいっぱい

「あそびの長屋」に集うひととき

おもちゃコンサルタント・木育インストラクター 足立由美子さん

団体名:ちちぶ あそびの長屋 やまもり

事業概要

木製おもちゃ遊びのイベント「ちちぶ あそびの長屋 やまもり」を開催。

秩父の歴史ある長屋で、グッド・トイや、地元産の木材を使ったおもちゃ遊び、本格的な織物が体験できる卓上織機のワークショップ、食、音楽が総合的に体験できるイベントを季節ごとの年4回行う。

昭和の長屋の一角にあそびの広場が出現

昭和初期に建てられた、秩父銘仙買継商の長屋が残る埼玉県秩父の買継商通り。地域伝統の絹織物「秩父銘仙」の取引で栄えたこの地の歴史を今に伝えるエリアです。その長屋街の一軒に、親子連れやお年寄りが次々と入っていく日があります。なかを覗くと、ところ狭しと並んだ木のおもちゃで子どもから大人までが夢中で遊んでいます。

この催しは「ちちぶ あそびの長屋 やまもり※1(以下、あそびの長屋)」。主催しているのはこちらの長屋のオーナー、おもちゃコンサルタントで木育インストラクターでもある足立由美子さんです。

おもちゃコンサルタントの資格を取得後、2011年から30回以上にわたり、東京おもちゃ美術館やオリジナル制作の木のおもちゃなどを使った「おもちゃの広場」を市内のショッピングモールなどで開催。この取り組みを深め、秩父の自然の恵みや伝統を伝えながら、大人も子どもも楽しめるあそびの場を作りたいという思いが強くなった時に、助成事業のことを知り応募したといいます。

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木のおもちゃにみんな夢中! 「もう帰るわよ」「まだ帰りたくない!もっと遊びたいよ」というやりとりがあちらこちらで

やまもりの体験でからだと心、たくさん動かして

足立さんは、2004年に秩父の山間部に家族で移住し、2012年から市街地にあるこの長屋で木工作家であるご主人とともに工芸品などを扱う「ツグミ工芸舎・百果店ひぐらしストア」を営んでいます。自らも木製おもちゃの企画やデザインを手がけており、かつて秩父市から赤ちゃんの誕生祝いに贈られていた積み木「TUMICCO※2」(つみっこ)も足立さんのデザイン。もちろんあそびの長屋でも人気です。

子どもたちに良いおもちゃ、良い食べ物、良い音楽に触れてほしいという思いから、置いてあるおもちゃは地元産の木材をつかった作家による手作りおもちゃやグッド・トイ、食べ物は材料にこだわった乳製品不使用のスイーツを販売するなど、丁寧に考え、選びぬかれたものがずらり。あそびの長屋には各分野で活躍のクリエイターやミュージシャンも招かれており、参加者が何気なく弾いたトイピアノに、持っている楽器でメロディを合わせてくれて、即興コラボレーションが始まることも。

あそびの長屋では本格的な機織りを誰もが楽しめる卓上織機「ORICCO(おりっこ)」のワークショップも。ORICCOは、足立さんが伝統工芸士とともに考案開発したもので、なんと600種類以上の柄を作ることができます。国の伝統的工芸品にも指定されている秩父銘仙の魅力の再発見にひと役もふた役も買っています。

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秩父銘仙の買継商問屋だった長屋が会場。大人にはどこか懐かしく、子どもにとっては新鮮で面白い空間です

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バンジョーの楽しいメロディをBGMに、遊びに夢中の子どもたち

おもちゃを通した異世代コミュニケーション

「木のおもちゃのぬくもりを、手で触れて、感じてほしい。感性が磨かれるきっかけになれば」と足立さん。あそびの長屋の時間は、秩父という土地と、そこで育まれた人と伝統、自然素材へのあふれる愛情を感じるひとときです。

催しにはシニアの方も多数参加。子どもとお年寄りがおもちゃを介して楽しく触れ合う時間もありました。「おもちゃが、楽しいことが始まるきっかけや、みんなのコミュニケーションツールになればとてもうれしいです」。秩父の魅力が詰まった、誰もが楽しく過ごせる場所作りへの挑戦はこれからも続きます。

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皿回し体験はシニアにも大人気。涙がでるほど大笑い! 子どもとお年寄りが一緒に遊ぶ心はずむ時間です

ちちぶ あそびの長屋 やまもり※1

※ 1 木は、山(やま)と森(もり)にたくさん(やまもり)あります。おもちゃや遊び、木もたくさん山盛りに詰め込んでみんなに楽しんでもらいたい。「やまもり」には、そんな想いが込められています。

TUMICCO※2

※ 2 秩父市の誕生祝い玩具の選考会で最優秀賞を受賞。無垢のヒノキとスギで作られています。包装は伝統工芸「秩父銘仙」の技法「ほぐし織り」で織られた綿の風呂敷。描かれた地図の上に街を作って遊ぶことができます。